
あなたの役割の一つは、ペットとあなたの絆を強化することです。毎日のペットの世話は、あなたの暮らしのストレスや圧迫感を和らげる効果があります。動物がそばにいるだけで周りは和み、動物との楽しい交流は大きな喜びをもたらしてくれます。
ところが、その一方で不利な点もある事は否定できません。飼い主として、世話をする人としてのあなたをペットは全面的に頼るわけですが、ペットがあなたに心理的なねじれを生じさせることも有ります。それは、ペットがあなたを頼りにしているように、実はあなたもペットに依存しているからです。
このペットと人間の依存関係は、あなたに自分が重要視されていることの優越感や安心感を与えますが、その結果、自分が特別な価値ある存在であるというゆがんだ自身も与えます。ペットはあなたが必要であり、あなたのことが大好きです。お互いの交流においてペットと飼い主であるあなたとの間には強い絆が成り立っているのです。
少し視点を広げ、人間の役割という視点で考えると、特定の人のペットへの思い込みは、時には害になる事があるということも心に留めておく必要が有ります。細かい気配りで動物の世話をするのは良いのですが、なかにはペットを自分の子供のように扱うひとたちがいます。洋服を着せ、リボンで飾り立てたりしている飼い主もたくさんいます。
これは不必要なことで、かえってペットにストレスをあたえているように思えます。「私はこの子を大切にしています」と自信をもっていても、ペットの側から見ると、不必要なもので体を飾られるようなことは迷惑かもしれません。
このように行き過ぎとも思える行為が、ペットと人間の関係を病的なものにする原因になっているのではないでしょうか。