
人間やペット、そしてあらゆる生きとし生けるものが生命の循環の一部として生まれ、そして死んでゆくということを私たちは知っています。ところが、死に対する心構えが十分とはいえません。それどころか、ペットの死に関してはほとんど何も考えていないように思えます。誰かが亡くなったり、大事にしていたペットが死んでしまったとき、怒涛のように押し寄せる苦悩に圧倒され、何が起こっているかさえはっきりと分からなくなります。実に、私たちは死そのものを理解出来ていないと言ってもよいでしょう。だから死を受け入れるのが難しいのです。いきなり訪れる死と向かい合った時、否認、罪悪感、怒り、自責の念などの感情がどっと押し寄せてくるのです。私たちがその感情の波から自分を守るためにも、他の人からの慰めやサポートが必要なのです。
ペットが亡くなってしまった後も、ペットとの絆という形であなたとペットの関係は継続します。あなたはペットが亡くなった後も悲しみを乗り越えて、自分自身の人生を生きなければなりません。だからこそ私たちは、ポジティブな形でいつまでも思い出の中にかわいいペットを生かしておきたいと願うのでしょう。愛するペットを思い出すことは、悲しみを潜り抜ける為の健全なプロセスの第一歩です。
死んだペットへの愛を胸に抱き続けながら死を慎む期間は、その死を悲しむ自分を完全に許しきってください。間違っても自分を否定しないでください。愛するペットの死で壊れてしまったかのように思えるあなたの人生の時間と、ペットの死後の日常を高めていくためにも、生きていた頃のペットの姿を思い出してください。そして悲しむ自分を十分に許しきるのです。あなたとペットが分かち合った楽しかった日々を思い出すのです。ペットの死という悲しみにどっぷりと身を置いて嘆き悲しむより、楽しかった事や一緒に過ごした喜びの日々を思い出すことにエネルギーを使いましょう。