
ペットを失った際の喪失反応には、さまざまな気持ちのプロセスがあります。これを専門的に「グリーフ・ワーク」といいます。グリーフとは悲嘆、ワークとは作業という意味です。
グリーフ・ワークには心の防御制御という重要なメカニズムが関わってきます。心の防御制御とはどういうことかというと、もしも、愛するものを失ったという辛い現実を包み隠さずにそのままダイレクトに吸収してしまったら、私たちの心は一体どうなると思いますか。心はそれほど強くありません、場合によっては、粉々に壊れてしまう事もあります。
辛い現実を少しずつ時間を掛けながら心に吸収させてくれるのが、心の防御制御というメカニズムです。
この心の防御制御とともにグリーフ・ワークが進行していきますが、具体的にはどういったプロセスがあるのでしょうか。
今は亡きスイス生まれの精神科医、エリザベス・キューブラー・ロス(Elisabeth Kubler-Ross)が提唱した「キューブラー・ロスモデル」によると以下の5段階に分けられています。
死に対する強い否定の感情がわき、嘘だろうと疑う段階
第2段階 怒り
なぜあの子が死ななければならないのかという怒りがわいてくる段階
第3段階 取引
感情の取引や交渉を行い、何かにすがりたいという段階
第4段階 抑うつ
何に対しても興味がなくなり、何もできなくなる段階
第5段階 受容
穏やかに死を受け入れられる段階
この5段階を、早い方なら1ヶ月でクリアするといわれますが、一般的には3か月が目安になります。
現在ペットロスで辛い思いをしている方は、自分が今どの段階に居るのか、同じ段階を繰り返していないかなど自己分析を行い、次のステップへ進めるよう意識を持ちましょう。
今はペットと元気に暮らしているという方は、この5段階を自分に当てはめて想像してください。現実は想像より辛いものですが、予防として想像したことが有るのと無いのとでは全く変わってきます。