
「想像が現実になる」。これは科学者の間でもよく言われていることです。「想像=思い」が脳にその映像を描かせ、その映像通りのことが現実になってしまう。
例えば、「可愛がっているこの子は私の命そのもの。この子が亡くなってしまったら、私はペットロスになるだろう」、そんなことを考えていると、その人は本当にペットロスになります。一方、「この可愛い子には悔いの無い生活を送らせてあげたい。毎日楽しく過ごそうね」、そう思う人はペットロスで苦しむことも少なくなるでしょう。
前者は「ペットロス」という悲観的な言葉を頭にインプットしてしまっています。後者は「楽しく」「悔いの無い」というプラスの言葉をインプットしています。この差が、のちの人生にも大きく影響してくるということです。
自分の事に置き換えて考えてみましょう。「病気が心配だ。特に癌が。」そういう人は、往々にして癌になりやすいそうです。「一生涯現役を貫くぞ」、そういう人は、最期まで元気でいられる。一概にそうとは言い切れませんが、その傾向にあるというのは本当のようです。 「うちの子が居なくなった人生なんて考えられない」という人と「うちの子、最期まで元気に頑張ってほしいな」、そういっている人。どちらが人生を楽しんでいるか、また実際にペットロスで苦しんでいるのはどちらのタイプか、ためしにあなたの周りを見回してみてください。
これを象徴するようなお話が、実は科学の世界にもあります。それは「プラシーボ効果」と「ノーシーボ効果」です。 プラシーボ効果というのは、簡単に言うと「偽薬効果」という意味です。よく効くと聞かされた薬を飲むと、実はその薬には効果がないのに症状が改善してしまうというような効果の事をいいます。
また、「痛いの痛いの飛んでいけ」という、お馴染みのおまじないも、不思議と痛みが和らいだ気がしますよね。
ちなみに、プラシーボの語源は、ラテン語で「喜ばせる」に由来しているそうです。自分自身を喜ばせることが、いい結果に繋がるということなのかもしれません。
一方、ありもしない副作用が出てしまうと言うのがノーシーボ効果です。ノーシーボ効果については、こんな事例があるそうです。アメリカ・中西部の町の住民の死亡率を調査した結果、毎週のように教会に行く女性の死亡率は、一度も行かない女性の三分の一だったとの報告が。奇跡を起こしたのは神様でしょうか、それとも信じる心でしょうか。
「思い込み」は、実はとても大切なことです。望みが叶ったときの自分の姿をリアルに想像できる人は、達成率がとても高いそうです。想像力を味方にできる人ほど、自分自身の人生を良い方向に導くことが出来ると言えそうです。
もし、あなたがやがて訪れるペットロスの時が怖くて仕方ないのなら、「この子には天寿を全うさせてあげる。何の悔いも残らないように、最期までしっかりと世話するからね」、このようにしっかりと意識してください。何もしない時と比べて、その後の人生は大きく良い方向に変わるはずです。