
ペットの死を子どもに対してひた隠しにするということは、「死=嫌なもの=目を背けて隠してもよい」というイメージを与えることになります。死についてキチンと説明をしてあげることで、子どもは子どもなりに生命の神秘というものを肯定的に受け止めることができるようになります。
良くない教え方は「眠っているだけ」と教えることです。こういうと子どもは、いつになったら目が覚めてまた遊べるようになるのか、自分が眠っているときも同じように動かなくなってしまわないのか、と恐怖を感じてしまいます。
ありのままを子どもに分かる言葉で伝えて、一緒にさようならと、これから見守っていてねとお願いしましょう。そして、別れの儀式にもキチンとさんかさせてあげましょう。グリーフ・ワークを子どもにも行わせてあげるためです。
そうするためには、親御さん自身が、ペットが亡くなった事実を受け入れなければなりません。ペットが亡くなった時には、家族全員で、グリーフ・ワークを行うことが必要です。
安楽死の選択をした場合も同じです。なぜその選択をしたのか子どもにちゃんと説明しましょう。逆にいうと、安楽死の選択を子どもにキッチリと説明出来ないのであれば、その選択はしない方がよいでしょう。中途半端な気持ちで大事な命を奪い、それの説明もしてもらえない子どもは、成長していく上で必要となる知識、感情への欲求を遮断されてしまい、死については考えない事が正しいんだと覚えてしまいます。
ペットの死を理解するということは、自分自身の死を理解し、死ぬまでどう生きていくかという理解を深めることに繋がっていくはずです。
家族がペットの死に対処するための強力な手段は、お互いのコミュニケーションだということを認識しておきましょう。