人と同様、犬も寝たきりになると床ずれが起きます。床ずれは、皮膚の一部が壊死した症状のことで、長時間寝て過ごしている犬の皮膚に起きます。寝床と接している部分の皮膚に体の重みがかかって圧迫され、血液の流れが悪くなる事が原因です。
愛犬が寝たきりになったら、まずは床ずれの対策を最初に考えましょう。血液の流れを滞らせないためには、ときどき寝返りをうたせて姿勢を変える介護が必要です。しかし、頻繁な寝返りは大変ですので、すこしでも寝床の工夫を行い、楽な介護を目指しましょう。
床ずれの進行
床ずれの進行度合いによって、介護の方法も変わってきますので、床ずれがまずはどのように進行するのかを知っておきましょう。
- 進行度1
毛が薄くなったり、折れたりする - 進行度2
皮膚が赤くなる。 - 進行度3
水ぶくれが出来る。 - 進行度4
水ぶくれがとれ、皮膚に穴が開き、患部からは怪我を治そうとする液が出ます。
柔らかい寝床を作る
愛犬が寝たきりになってしまったら、まずは寝床を柔らかくする対策ととりましょう。手軽に出来るのが、梱包材に使われる気泡シート(プチプチ潰せるやつ)を数枚重ねて、寝床とシーツの間に挟む方法です。これで寝床が柔らかくなり、皮膚の圧迫を少しだけ解消します。また、低反発マットを使うのもおすすめです。
寝たきりになっても、足が動かせると、床で足をこすったり、狼爪をひっかけて傷を作ったりしがちです。傷が出来るなら靴下を履かせたりして工夫しましょう。排泄物については、もらした物が尻尾に付くと拭いたり洗ったりが大変ですので、尻尾は最初から包帯などで巻いておけば、汚れた時に包帯を取り替えるだけなので楽になります。
ときどき寝返りをさせる
やわらかい寝床を用意しても、ずっと同じ姿勢で寝かせていれば床ずれは防げません。ときどきは寝返りを打たせるようにしましょう。寝返りをさせるときに、寝かせたまま手足を持って回転させる人が多いのですが、この方法は厳禁です。一度抱き上げて上体を起こし、反対側を向かせましょう。寝かせたまま体を回転させると、重力の働きで正常な位置に収まっている内臓の位置がずれてしまいます。これは寝たきりの犬にとって大きな負担になります。
床ずれの徴候が出てきたら円座クッションを使う
床ずれの徴候が出てきたら、進行するのはあっという間ですので、直ぐに進行を食い止めるケアが必要です。床ずれは、体の重みで圧迫されて出来ますので、圧迫を取り除く事が必要になります。おすすめなのが円座クッション(ドーナツ枕)と呼ばれる物です。市販のものも多く出回っていますが、気泡シートなどをハサミでカットし包帯などでクルクル巻いたものでも代用できますので、作ってみてはいかがでしょうか。
床ずれになってしまった子は治療し、家庭でのケアを始める
水ぶくれがとれ、皮膚に穴が開いた状態になっているのが進行度4です。そのまま放置していると皮下組織の壊死が進み、骨が見えてしまうなど、重度の状態に至ります。進行度4になったら必ず医師の診察を受けるようにしましょう。