遺伝子に傷がつくと、細胞は無秩序に増殖し、腫瘍になります。高齢になるほど、遺伝子に傷がつく機会が増え、増殖を抑制する機構がなくなって腫瘍になりやすくなります。他の臓器にも転移する腫瘍を悪性腫瘍、または「がん」と呼び、良性腫瘍とは区別しています。
がんは骨、血液、内臓、皮膚とあらゆる所にできます。予防の決め手はありませんが、要因を減らせれば、リスクを軽減できます。また、早期発見すれば、手術や抗がん剤で治療できます。定期的な診断を受けるとともに、しこりを意識してボディケアを行い、体にサインが無いかをチェックしましょう。
老犬がかかりやすいがん
口腔腫瘍
歯茎や舌、口の中の粘膜に出来る腫瘍です。口の中にしこりが出来る、食べにくそうにする、口臭、よだれ、などの症状が出ます。
精巣腫瘍
精巣に起きる腫瘍です。腫瘍細胞が雄性ホルモンを出して、乳腺がおおきくなるなど、メス化する事もあります。多くは良性ですが、悪性のがんもあります。精巣が正しい位置にない、停留精巣という病気の犬は、リスクが高まります。
乳腺腫瘍
避妊していない高齢のメスが最もよくかかる病気で、乳腺にしこりが出来るのが特徴です。悪性腫瘍の危険性は約50%で、その半数は肺やリンパ節に転移が見られます。悪性腫瘍の炎症性がんは、症状が急速に進行します。
肛門周囲線腫
肛門の周囲にある分泌線に発生する腫瘍です。肛門周囲の毛の生えていない部分に、小さないぼ状のものや大きな塊などが見られます。雄性ホルモンの影響で起きる為、去勢していないオスに圧倒的に多い腫瘍です。