犬の寿命が延びてきている弊害として、認知障害を初めとする脳や神経の病気が増えてきています。老犬の脳は、神経細胞の活動が衰えてきて、神経の情報伝達速度が遅くなっています。脳の機能を支配するホルモンのドーパミンの生産量が落ちるのも、脳機能の低下の原因になっています。
こういった脳の老化が認知障害を招き、新しい環境や刺激に対応できなくなったり、変化を怖がるようになったりします。また、過去の記憶も欠落してくるため、精神的に不安定になりがちです。愛犬の行動を理解し、愛情をもって笑顔で受け入れてあげることが大切です。同時に脳を刺激して活発に働かせることで、脳の衰えを防ぎましょう。
老犬がかかりやすい神経、脳の病気
分離不安
飼い主さんがいなくなりと、不安になって吼える、物を壊すなどの問題行動を引き起こす状態です。
認知障害/ボケ
飼い主を認識できない、歩行中に後退ができない、夜鳴きするなどの症状が出ます。脳の萎縮を起こしているケースもあります。治療法はまだありませんが、不安を鎮める、脳に働きかけるなどのケアで症状の改善が見られることも有ります。
前庭障害
耳の奥にある前庭は、体の平衡を保つ働きをしています。この前庭に障害が起きると、納棺などへの神経伝達が上手くいかず、真っ直ぐ歩けなくなったり、嘔吐したりする症状が現れます。
常同症
自分の尻尾を追いかける、足の裏をなめ続けるなど、同じ行動をずっと繰り返す症状をいいます。不安やストレス、葛藤などが原因で起きるようです。