犬も人と同様、高齢になってくると人の認知障害と似たようなボケの症状が出てくることがあります。原因は、老化による脳神経の衰えや自律神経機能の低下、脳の委縮などがあげられていますが、はっきりとしたことはまだわかっていません。
犬のボケの症状には、夜鳴きをする、排泄を失敗する、飼い主が認識できなくなるなどがあります。発症する年齢は大体13歳くらいからで、外で飼っている犬に多いと言われています。人の場合と同じく根本的な原因がわかっていないため、対処療法を行うしか手立てが有りません。外で飼っている犬だったら室内に移すなど、脳への刺激を意識して与えたりするのが良いでしょう。
愛犬がおもらしをするようになったりした時に、ボケを疑う飼い主さんは少なく、楽観的に見た上で叱ってしまうなどの誤った対応をしがちです。また、ボケに気が付いても愛犬の状態を素直に受け入れるまでは抵抗があります。しかし、愛犬との幸せな時間を少しでも長く共有する為には、まず現実を認識して適切な対処をしていくしかありません。
愛犬のボケチェック項目
- 排泄状態について
寝ていても排泄してしまう - 鳴き声について
決まった時間に突然鳴き出し、まったく制止できない - 感情表現について
他人や動物に反応せず、飼い主に対しても反応しない - しつけについて
ほとんど忘れてしまっている - 食欲と下痢について
異常に食べるが、ほとんど下痢をしない - 生活リズムについて
昼はぐっすり眠っているが、夜に起きていることが多い。昼間に起こしても起きない - 方向転換の方法について
狭いところに入ると後退出来ない - 歩行状態について
自分中心の旋回運動をする
上のチェック項目で4つ以上当てはまった場合、あなたの愛犬はボケの疑いがあります。ボケの疑いが有っても回復の可能性は十分ありますので、早めに動物病院で受診しましょう。
ボケ予防の生活術
- EPA,DHAを摂取
食生活からボケ予防をするには、ボケに効果的といわれているEPA、DHAが配合されたサプリメントや、食材を摂るのがよいでしょう。 - 散歩中に刺激をプラス
散歩でみる風景がいつもと同じでは、刺激になりません。家では味わえないような刺激を与えるために、散歩コースを変えるなどをしてみましょう。 - 子犬を迎える
同居犬を迎えると大きな刺激になります。子犬との生活で、リーダーとしての威厳を示してしつけをするのもよし、童心にかえって遊ぶのもよしです。 - たくさん話しかける
コミュニケーション不足は愛犬にとってストレスになります。たくさん話しかけてコミュニケーションを図りましょう。話しかけると頭も気持ちも活性化します。 - スキンシップをはかる
視覚や聴覚が衰えてきた老犬だからこそ、よく触れ合って脳を刺激してあげましょう。飼い主の気持ちが手のぬくもりから伝わって、感情もイキイキしてきます。