消化器官には、食べ物の通り道である食堂、胃、小腸、大腸などのほか、栄養の分解に必要な消化液を出す肝臓、胆のうなどが有ります。老犬になると、胃や腸などの内臓の動きが鈍くなってくることや、消化に必要な酸素の分泌が悪くなる事から、消化・吸収の機能が衰え、胃にガスが溜まりやすくなります。また、肝臓では体内の毒素を分解して無毒化する働きもしていますが、この働きが老化で衰えると、毒素を素早く分解できなくなって全身に影響が出ます。
日ごろから排泄物チェックを行うとともに、健康診断で肝機能などの状態を把握して消化しやすい食事にするなどの配慮をしましょう。
老犬がかかりやすい消化器の病気
慢性肝炎
肝臓が炎症をおこし、それが慢性化したものです。初期症状は食欲不振や元気がなくなるなどの症状で、悪化するとオレンジ色のおしっこが出るなどの症状が出ます。肝臓に負担をかける食生活を長期間続けて居る事が原因でかかることもあります。
膵炎
膵臓には、膵臓から分泌される酸素から膵臓自身を守る機能があります。この機能が失われると、酸素によって膵臓や他の組織にも障害が起きて、腹膜炎、ショック、脱水などの症状が出ます。
胆泥症
胆のうの中にたまっている胆汁が、タール状になる病気です。軽い場合は、食事療法と内科治療で治りますが、重症化すると胆管閉塞や胆のう破裂などを起こします。
胃拡張症候群
内容物が無いのに胃がふくらんだ状態を胃拡張といいます。老化に伴い、消化機能が落ちて胃の中にガスがたまること、胃の弾力が落ちて消化後に胃が元のサイズに戻りにくくなる事が原因です。