動物が生きていくために「食べる事」と同じくらい「出す事」は大切です。しかし老化により体が弱ってくると、泌尿器などに色々な問題が出てきます。犬の場合は、残尿感があるとか、出が悪いとか、言葉で訴えることが出来ません。尿を数日間出せなかったりすると、病気のリスクが高まります。また、歩行が難しくなってきたときに、排泄の補助をどうするか。介護では悩むところです。犬にだって、うんちやおしっこは外でしたいなどのこだわりがあります。室内でトイレをさせる、おむつを使うなど、介護を楽にする方法があれば、そちらを優先しましょう。
排泄介護のポイント
おしっこには死んだ細胞などの老廃物が含まれていて、それらは膀胱の底に沈んでいます。普段体を起こしている人間では、膀胱の底は出口に近いところなので、おしっこをすると、それが真っ先に排泄されます。しかし、犬の場合は空だが横向きなので、尿道への出口よりも膀胱の底が低く、そこに老廃物がたまります。そのため、老廃物が排泄されるのは最後です。老廃物を全部出すには、おしっこを出し切らせることが大切です。
ポーズをとるのが難しくなったら、腰を支えてあげる
足腰の筋肉が衰えてくると、排泄をするときの姿勢がとりにくくなり、ふらついたり、排泄物の上に尻餅をついたりするようになります。特にオスの場合、片足を上げて排泄するのがあたりまえですので、更に不安定感が増えます。排泄をしたそうな様子を見せたら、後ろから回り込んで腰を支えてあげましょう。
おもらしをする子にはおむつを利用
おもらしは、筋力の衰えや神経のマヒによって起こります。そうなったら、おむつを使いましょう。犬用のおむつもありますが、人間用のおむつでもサイズが合えばOKです。おむつを着用させるタイミングは、排泄時だけに絞るのがベストです。
寝たきりの子には寝床にペットシーツを
愛犬が寝たきりになってしまったときは、ペットシーツを寝床に敷いてあげましょう。排泄用として腰の下に敷くペットシーツは、小さめの物でも大丈夫です。
自力で排泄できない子は手伝ってあげよう
おしっこがちゃんと出来ているように見えても油断は禁物です。満タンになった膀胱からあふれた分が出ているだけで、自力で排泄できていなかったりすることが有ります。また、老化によって腸の動きが弱まっている場合も有る為、よく観察し、排泄の介助が必要であれば行いましょう。おしっこの介助について、膀胱におしっこが溜まっている時は下腹部が張っていますので、触ってみて確認し、空になっている時と残っている時の状態を把握しておきます。排尿後に触ってみて、残っていそうだったら、膀胱部分を押して出させる圧迫排尿をしましょう。