ホルモンは内分泌腺と呼ばれる組織から分泌されています。主な内分泌腺には、甲状腺、上皮小体、脳下垂体、膵臓、副腎、などがあります。ホルモンは、血液の濃度や血糖値の調節、体温を保つ、代謝を助けるなどの働きをしています。
内分泌腺の老化が進んだりすると、ホルモン分泌の減少や過剰が起きて、食欲不振または過食、抜け毛、性格の変化などの不調が現れてきます。
老犬がかかりやすいホルモンの病気
甲状腺機能低下症
甲状腺の炎症や腫瘍、脳下垂体の腫瘍などが原因となって、甲状腺ホルモンが現象して起きる病気です。エネルギー代謝が出来なくなって、低体温、食欲不振、脱毛、無気力、皮膚の乾燥などの症状が出ます。
糖尿病
膵臓から分泌されるインスリンが不足し、たんぱく質、脂肪、糖分の代謝が出来なくなり、白内障などの症状が出ます。悪化すると嘔吐や下痢、こん睡状態になります。
副腎皮質機能亢進症/クッシング症候群
副腎から副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されて、異常な食欲、大量に水を飲み排尿する、脱毛、筋肉の萎縮などの症状が出ます。副腎や脳下垂体の腫瘍、ステロイド剤の副作用で起こります。老犬の場合は、原因の多くは副腎皮質の腫瘍です。
上皮小体亢進症
上皮小体から上皮小体ホルモンが過剰に出る病気です。骨からカルシウムが減り、血液中のカルシウムが増えます。多飲多尿、食欲不振、骨が脆くなるなどの症状が出ます。老犬の場合の多くは、腎臓疾患に伴っておきます。