老犬になると噛む力が衰えて、固い食べ物が食べにくくなり、飲み込む力が弱くなりがちです。食事の介護のポイントは3つあります。1つ目は食べさせる姿勢で、犬の体の構造上、寝かせたまま食べさせると、食道の途中に食べ物がたまり、胃にちゃんと送られません。そこで食事中や食後しばらくは、体を起こした姿勢にすることが大切です。2つ目は食べ物の固さで、食べやすいようにやわらかくすることが必要です。状態によっては、固形食から流動食に切り替えましょう。3つ目は水分を採らせる事。身体を動かさなくなると、水を飲む機会が減りがちです。食後には水を飲ませましょう。寝たきりになった場合は、生活リズムの中でいつ水を飲ませるかをきちんと考えてあげる事が大切です。
食事介護のポイント
人の食道はほぼ垂直ですので、食べ物は重力によって胃へ流れやすいのですが、犬の食道は途中でたわんでいるため、そこに食べ物がたまって胃にきちんと送られていないことがあります。犬を寝かせたままの状態で食べさせると、食道内に食べ物が詰まる危険が高くなり、食道炎の原因になりますので、寝たきりになっていたとしても、食事は頭を起こした姿勢で食べさせるようにしましょう。
食器の位置を高くしてあげる
通常、犬の食事は食器を床に置いた状態で食べさせますが、老化により飲み込む力が弱ってくると、その姿勢では食べづらくなってきます。そこで、少しでも食道の角度をつけて重力のチカラを借り、胃に流し込みやすくなるように、食器を台のような物の上に置いて食べさせてあげましょう。
寝たきりの子は上体を起こして食べさせる
立って食べられなくなると、食べさせる手伝いが必要になります。一番警戒しなければならないのが、寝たままの姿勢で食べさせて、食道に食べ物を詰まらせることです。食べ物がきちんと胃へ落ちていきやすいように、上体を起こして頭を高くした姿勢をとらせましょう。ただし、顎だけを上に向けさせて食べさせるのは誤って気管に入り込むことがありますので注意してください。
飲み込みにくい子にはフードを柔らかくしてあげる
歯が悪くなったりして固いものが飲み込みにくくなったら、フードをふやかして食べさせます。それでも飲み込みにくい子には流動食を与えましょう。流動食には水分が多く含まれるので、水をあまり飲まなくなった老犬にとっては、食事と水分の補給が同時にできるというメリットが有ります。流動食はドライフードから手作りすると、粒が残るなどして上手に作れない事がありますし、毎回作るのでは手間もかかりますので、基本的には市販の物を与えるようにしましょう。