愛犬の老化が進み体が不自由になると、本格的な介護がはじまります。介護でしてあげられることは様々です。流動食を作って食べさせたり、排泄のために愛犬を抱いて外出したり、関節や筋肉が固まらないようにマッサージをしたり。こういった介護の日々はずっと続くのです。
いつまでも続く為、完璧にこなそうと頑張りすぎていると、体力的にも精神的にも追い詰められて、体調を崩して共倒れになってしまう危険があります。介護する人が倒れてしまったのでは、犬も飼い主とともに自分の居場所まで失うことになりかねず、意味がありません。
犬にとっても介護する人にとっても、できるだけ良質の介護を目指すなら、ひとりだけで頑張りすぎないことが大切です。日々の暮らしとうまく折り合いをつけながら、完璧な介護ではなく、がんばらずに続けられる「手抜き介護」を目指しましょう。
手抜き介護のポイント
- 治療できるかを調べて適切な対処を
体調不良を全て「年のせい」と片付けてしまっていませんか?散歩に行きたがらなくなり、歩き方が遅くなったりしていたら脊椎の病気だったりすることもあります。老犬でも、適切な治療で治るケースはたくさんあります。痛みを緩和するだけでも全然違います。諦めずに病院で受診しましょう。 - 信頼出来るかかりつけ医を持つ
診察を受ける機会や相談事が増えてくると、信頼出来るかかりつけ医を持つことが大切になります。愛犬が若いころからの病歴や性格を知っているドクターに治療や相談にのってもらえるなら、それが一番理想的です。 - 生活のリズムを掴む
寝たきりといっても、生活のリズムは犬によって違います。昼寝、食事の時間、排泄のタイミングなど。このリズムは必ず掴んでおきましょう。愛犬の生活リズムに合わせた介護のスケジュールが出来ると、介護する人も時間を有効に使えます。 - 身近にあるグッズを活用する
愛犬に快適な介護グッズがあるなら、活用しない手はありません。床ずれ帽子の寝床など、今まで夜中に何度も寝返りさせていても直らなかった床ずれが、低反発マットに変えたと単に劇的に改善することもあります。愛犬の状態やライフスタイル、住宅事情などを考慮しつつ、身近な物で工夫出来る所はすることが大切です。 - 愛犬の状態にあった介護方法を発見する
手抜き介護をするには、愛犬の様子をよく観察して、どんな状態にあるのかをしっかりと把握しておかなければなりません。そして、あなたが愛犬の世話で困っていることは何なのか、これから悪化させない為には何が必要なのかをはっきりさせてみましょう。目に見えるところから突き詰めていけば、きっとオリジナルの介護法ができるはずです。
介護がんばり過ぎ度チェック
始まったばかりの介護では、ついつい無意識のうちに自分を追い込んでしまうものです。ここではあなたの「がんばり過ぎ度」をチェックしてみましょう。
- 介護が始まったら、仕事をやめて専念したい
- 介護生活を考えると、不安で眠れないことがある
- 愛犬について相談にのってくれたりする人が身近にいない
- 愛犬の介護は最後まで自分がやってあげたいと思う
- 犬を飼い始めてから長時間留守にできず、遠出ができなくなった
- ストレスを溜め込みやすい方だ
- 自分の事を完ぺき主義者だと思う
- 何をしていても愛犬が気になる
- 愛犬が病気になっても治療費はおしまない
- 愛犬には自分ひとりしか居ないんだと思うことがある
- 自分は几帳面な性格だとおもう
診断結果
0~3個該当・・・心配なし
あなたは今の所がんばり過ぎの心配はありません。介護が始まっても、これまでと変わらない気持ちで適切なお世話ができるはずです。
4~6個該当・・・要注意
あなたは少しがんばり過ぎかもしれません。がんばりすぎは、愛犬に逆にストレスを与えたりする危険があります。気持ちにゆとりを持って、笑顔で出来る範囲で行うといいでしょう。
7~11個該当・・・危険
あなたは既に愛犬の介護を頑張りすぎているのでは?このままいくと愛犬と一緒に倒れる恐れがあります。家族の協力を求める、デイケアサービスを利用するなどして介護の負担を減らしましょう。