膀胱、尿道、腎臓、輸尿管を泌尿器と呼びます。泌尿器は体内の血液から不要な老廃物を取り除いて、おしっことして体外に出す働きをしています。年をとると腎臓のろ過システムが劣化し、老廃物が取り除けなくなる事があります。また、膀胱を収縮させる筋肉の衰えや排尿の感覚が鈍ることが原因で、排尿困難や頻尿になることもあります。免疫力の低下で、泌尿器には細菌による感染症がおきやすく、慢性化しがちです。
泌尿器の病気はそのサインがつかみにくく、気付いた時は重症化していることもあります。普段からおしっこの回数、量、色に注意を払うとともに、定期的に血液検査や尿検査を受けて、チェックしてもらいましょう。
老犬がかかりやすい泌尿器の病気
慢性腎不全
腎炎などの病気によって、腎臓のろ過システムが少しずつ壊れていき、腎臓が働かなくなる症状を指します。排尿はあり、急性のように嘔吐などのはっきりした症状は少ない為、気付いた時にはかなり進行しています。
慢性腎炎
老化や病気で腎臓のろ過システムが壊れ、その壊れた部分が増えてくると腎臓の機能が低下し、正常なおしっこがつくれなくなることから起こります。おしっこにたんぱく質が出たり、血中のたんぱく質の濃度が薄くなったりします。
膀胱炎
膀胱に炎症が起きる病気で、ほとんどは尿道から入った細菌が原因です。免疫力の低下でかかりやすくなり、水の多飲、おしっこの回数が増えるなどの症状が出ます。メスに多く、慢性化しやすいので徹底した治療が必要です。
膀胱内結晶
おしっこの中に欠席の元を作る病気です。細菌感染などでおしっこがアルカリ性になると、結晶が出来やすくなります。老犬の場合、細菌感染が原因の膀胱炎になりやすく、その結果、膀胱ない結晶もよく見られます。