老犬にとって、歩く事が一番の運動です。足腰が弱ってちゃんと歩けなくても、飼い主がサポートして歩かせることで血液の流れが良くなったり、関節や筋肉のこわばりを防ぐことができます。歩行介護で大切なポイントは、何もかもをサポートしてしまわないことです。転倒防止をしたうえで、なるべく自力で歩かせるようにしましょう。老化が進んで、後ろ足が踏ん張れなくなった場合は、補助具を使うなりして歩行をサポートしてあげましょう。
歩行介護のポイント
歩行機能の衰えの順は基本的に[ふらつくようになる]⇒[立ち上がれなくなる]⇒[後ろ足が弱り歩けなくなる]⇒[両足の機能が衰え寝たきりになる]という順番です。この衰えの度合いによって、サポートしてあげるべき内容も変わってきますので、現在の愛犬の衰えの状態をきちんと把握しておきましょう。
ふらつく子には転倒防止を
歩行機能の衰えの初期段階がふらつきです。基本的には自分の力で歩かせることが大切ですが、転倒しそうになったときには、体を支えてあげましょう。この状態の愛犬を散歩させるには、胴体を広範囲に支える事ができるハーネスを利用しましょう。
立ち上がりが難しい子には、立ち上がりサポートを
立てさえすれば歩ける子は、立ち上がる時だけ介助して、あとは自力で歩かせます。立たせるときに足が滑る場合は、バスタオルやマットなどを敷いておきましょう。
後ろ足が踏ん張れない子には、後ろ足サポートを
後ろ足があまり踏ん張れなくなってきても、前足が動かせるなら、後ろ足をサポートして歩かせるようにしましょう。サポートにはウォーキングベルトを使います。ウォーキングベルトには、胴体のみをサポートするタイプもありますが、歩行中に抜けたり、腰骨が安定しなかったりするので、パンツタイプがおすすめです。
両足が弱って歩けない子は、抱っこして移動
歩行ができなくなると、抱っこして移動させるようになります。抱っこするにはまず、愛犬を横たわらせて背中側に座り、後ろから胴体全体を包み込むように両腕を体の下にすべり込ませて持ち上げます。